祖母のお葬式にメンズの礼服を着た話
Kazekaの代表の小山です。
昨年、祖母のお葬式に参列しました。
両親にカミングアウトした時の僕は、本当にギリギリの精神状態で、いつ自分の人生を終わらせるかということばかり考えていました。
そんな時に、僕のことを救ってくれたのが祖母でした。
僕の話を沢山聞いてくれて、両親にカミングアウト出来るように優しく背中を押してくれました。
僕がこうして今でも生きていられているのは、間違いなく祖母のお陰です。
そんな祖母が亡くなり、お葬式が執り行われることになりました。
祖母との最期のお別れには、自分で仕立てたメンズの礼服を着て参列したいと思っていましたが、家族以外の親戚は僕の性別について詳しく知りません。
「どうして、メンズの礼服を着ているの?」
「なんで、ネクタイを締めているの?」
親戚の反応を想像したら、お葬式に参列すること自体が怖くなりました。
大切な祖母に最期のお別れを伝えたいけど、レディースの礼服を着るくらいなら参列したくない。
一人で悩んでいた僕のことを知ってか知らずか、母が僕の礼服について聞かれたらなんて答えるかについて、プチ家族会議を開いてくれました。
メンズの礼服を着る事を当然だと思ってくれたことが嬉しくて、僕のことを全力で守ろうとしてくれる家族のもとで生まれてこれたことが嬉しくて、一人になってから少し泣きました。
お葬式を終えて思うのは、メンズの礼服を着て参列出来て、本当に良かったということ。
最期に祖母にかっこいい姿を見せてあげることができました!
僕個人としては、大切な人との最期のお別れにはあなたらしい装いをしてほしいと思いますが、周囲へのカミングアウトの状況やご家族の方の意見などから、なかなか難しいという方も多いと思います。
それでも、何を着るかはあなた自身で選んでほしいですし、あなたの気持ちを一番に大切にしてほしいです。
大切な人とのお別れは突然やってきます。
オーダースーツはその特性上、オーダーからお仕立て上がりまで最低でも1ヵ月はかかります。
最高の形でお別れするために、今から準備するのもいいのではないでしょうか。