女の子で生まれた僕が男性として生きるまで⑬
Kazekaの代表の小山です。
女の子で生まれた僕が男性として生きるまで⑫の続きです。
入院1日目
入院期間は約1週間で、1日目に入院の手続きや手術前の説明、2日目に手術、その後安静という流れでした。
手術を受ける病院は自宅から遠かったため、両親に車で送ってもらいました。
車内は手術前という緊張感も特になく、このまま家族でドライブにでも行くような、いつもと変わらない空気感でした。
病院へ着いて、入院の手続きをして、最後に両親と握手をして別れました。
母はいつも通りふざけていましたが、手がとても冷たかったです。
僕には見せないだけで、母も緊張していたのかもしれません。
病室に案内される前に、手術を担当してくださる麻酔科の先生から、麻酔についての説明を受け、薬剤師さんと一緒に持参薬の確認を行いました。
僕は生まれつき皮膚が弱く、皮膚科に通院しているので、その飲み薬と塗り薬を預けました。
その後、担当の看護師さんに病室まで案内していただき、入院の流れについての説明を受けて、その中で、手術に必要なリブバンド(術後に胸を抑えるコルセットのようなもの)とT字帯(手術中に履くオムツのようなもの)を買ってくるように言われました。
看護師さんが病室を出ていき、一人になって考えるのは明日の手術のことです。
”やっと胸の膨らみがなくなる”
”手術が上手くいかなかったらどうしよう”
”ナベシャツをしない生活ってどんなだろう”
”最初から男性の身体だったら、こんな手術しなくてもいいのに”
手術に対する期待と不安の波が、交互に押し寄せてきました。
カーテンで仕切られたベッドの上で天井を見つめていると、不安な気持ちがどんどん大きくなります。
そんな時、同室の子が話しかけてくれました。
どうやら僕と看護師さんとの会話が聞こえてきて、自分と同じ手術だと知り話しかけてくれたそうです。
一緒にコンビニに行って、アイスを食べながらいろいろなことを話していると、さっきまでの不安な気持ちが少しずつ薄れていきました。
勇気を出して話しかけてくれて、本当にありがとう。
いつかスーツを作りにきてくれたら、とびきりかっこいいスーツを仕立てさせてくださいね。
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