女の子で生まれた僕が男性として生きるまで⑫
Kazekaの代表の小山です。
女の子で生まれた僕が男性として生きるまで⑪の続きです。
手術の日が1か月後に迫り、術前検査を受けてきました。
女の子で生まれた僕が男性として生きるまで⑧で書いたように、手術方法は胸の状態によって異なり、僕の場合はO字切開とI字切開の2つに当てはまります。
3月に手術についての説明を受けて、どちらにするかは割とすぐに決まっていました。
「I字切開でお願いします。」
I字切開では、色素の濃い乳輪部分ではなく、乳房の下を横にまっすぐ切開するため、比較的手術の跡が残りやすく、手術したことを知られたくないという方にとっては、嫌な手術方法かもしれません。
僕も、単純に傷跡が残るのは嫌ですが、この手術方法を選んだのには理由があります。
それは、女の子だった僕を身体に残しておきたかったからです。
胸の膨らみがなくなって、ホルモン治療を始めて、戸籍上の性別も名前も変えたら、僕が女の子として生まれた証は残りません。
この身体で生まれたことが辛くてしんどくて、それでも、もがき苦しみながら生きた女の子の僕が消えてしまいそうで、それは嫌だから、身体に残しておきたいと思いました。
手術を前にした今の心境としては、実感が湧いていないというのが正直なところです。
目が覚めたら男性の身体になっていますようにと、幼い頃から何回も何十回も何万回も願いながら眠りに就きました。
ようやく、夢ではなくなることが、まだ信じられません。
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