女の子で生まれた僕が男性として生きるまで④
Kazekaの代表の小山です。
女の子で生まれた僕が男性として生きるまで③の続きです。
病院から帰り、両親に、性同一性障害の診断をしてもらうために通院中であること、そして治療を行いたいと考えていることを伝えました。
すると、2人の顔が見る見るうちに曇っていくのが分かりました。
しばらくの沈黙の後、母から
「カミングアウトしてくれた日から、いつかこういう日が来るかもしれないと思っていたけど、正直考えないようにしていた。」
「寄り添ってあげたいとは思っているけど、娘だと思って産んだ子が息子になるなんて理解が追いつかない。」
「一緒に過ごす中で、手術やホルモン治療で変わってしまうあなたに驚いてしまうかもしれない。」
と言われました。
父からも
「正直なところ、健康な身体にメスを入れるのは賛成できない。」
と言われました。
両親が治療に対して後ろ向きであることはなんとなく分かっていたし、このような反応をされることも予想はできていましたが、いざ面と向かって言われるとなかなか辛いものがあります。
しかし、父が続けて
「でも、風太のこれからの人生は俺たちよりもずっと長い。」
「寿命で亡くなると考えても、あと60年ぐらいある。治療をしなければ、きっとその60年を不安を抱えながら生きていかなくてはいけないんだろう。」
「治療をすることで、その不安が少しでも解消されるというのなら、受け入れられないからといって反対するのは、親のエゴだよな。」
と言ってくれました。
カミングアウトしてから、約4年。
当初は受け入れてくれる様子ではなかった父も、父なりにたくさん考えてくれていたことが分かりました。
父の言葉を聞いて母も
「今でも、男の子の身体に産んでやりたかったって思ってる。」
「変わっていくあなたを受け入れるのに、時間がかかってしまうかもしれないけど、私はあなたの親だからあなたの幸せが一番大事。」
と言ってくれました。
2人の言葉に、我慢していた涙が一気に溢れました。
突然子どもから男の子になりたいと言われて、すぐに受け入れるのはとても難しいことだと思います。
たくさん時間はかかったけど、それでも僕は両親のもとに生まれることができて、最高にラッキーです。
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