女の子で生まれた僕が男性として生きるまで⑩
Kazekaの代表の小山です。
女の子で生まれた僕が男性として生きるまで⑨の続きです。
カミングアウトした時こそ、すぐには受け入れてはもらえませんでしたが、両親はいつも僕の考えを尊重してくれました。
4個上の兄をマネて、男の子向けの洋服を買ってもらっていた僕のことを、「女の子なのにお兄ちゃんのお下がりばかりで可哀そう…」と他の子のお母さんから誤解されても、好きなものを選ばせてくれました。
小学校に上がってからもそれは変わらず、学校指定の絵の具セットを購入する時に、男の子は青色、女の子はピンク色を選ぶのが当たり前という空気の中で、青色の絵の具セットを選ばせてくれました。
習字道具も裁縫セットも全部、好きなデザインのものを選ばせてくれました。
人からしたらなんてことのない出来事かもしれないけど、僕にとってはとても嬉しかった思い出です。
そんな僕が背負っていたランドセルの色は、赤色でした。
僕が小学生だった頃はまだ、絵の具セットと同じように「男の子は黒色、女の子は赤色」という考え方が根強く残っていました。
いつも僕の考えを尊重してくれていたのに、どうしてランドセルだけは赤色だったんだろうと、ずっと疑問に思っていました。
先日、たまたま母とランドセルの話になりました。
「黒色のランドセルを欲しがってたけど、背負わせてあげられなかった。」
ランドセルは他の小物と違って毎日使うものです。
黒色のランドセルを背負っていたら、悪目立ちしていじめられてしまうかもしれない。
好きな色を選ばせてやりたいという思いと、いじめられてほしくないという思いで、両親はかなり悩み、ランドセルだけは赤色にしたそうです。
現在では、お店に色とりどりのランドセルが並んでいます。
僕が小学生だった頃と比べると、随分と好きな色を選びやすくなったように感じます。
カラフルな小学生の集団を見ると、日本におけるジェンダーに対する考え方もこんな風にたくさんの色で溢れてほしいなと思います。
4月になり、入学や入社などで新たな生活が始まるという方も多いと思います。
新生活が始まるときは、性別で分かれる場面がとても多いです。
健康診断に書類の性別欄、知らず知らずのうちに心は擦り減っていきます。
たまには立ち止まって休みながら、新生活を楽しんでください!!
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